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月明りの下で

SilverRainのキャラクター+αによるブログです。知らない方、なりきりが苦手な方は戻ることをお勧めします。

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ふたつのともしび。

ひとつめの火が灯る。
ふたつめの火が灯ったら、ひとつめの火は消えた。
ふたつの火は、同じ時に灯らない。

メリークリスマス。

周囲からそんな言葉が飛び交う日がやってきた。
知り合いに、はたまた道を行く誰かにかけたものだろうか。

時折、聖書を朗読する声も聞こえてくる。
神に帰依するべしと。
本来であればキリスト教の催し。さもありなん。

…ともあれ、今年もクリスマスがやってきた。
あるところでは贈り物を交換し、あるところでは宴と騒ぐ。

その声に埋もれて、声は音になった。

「意外と覚えられているものだね」
「そうね。ちょっと予想外」

いくつかの贈り物を持つ手は、人々のそれとは、意味が違っていた。
12月25日。
今日はフランチェスカの誕生日。

「この日に生まれたと知らば、忘れ去られて気が楽かとも思っていたが…そうもいかないらしい」
嬉しさと複雑さが混ざったような声音で、そう呟く。
「また、照れちゃって…。少しは素直になったら?」
声のない声で、そう返事が返ってくる。心なしか、笑っているかのような響きを含みながら。

「…なに、別に感謝をしていないわけではないよ…。ありがたいことだと思っている」
普段の威勢を潜ませて、手に持つそれらを、ちらと眺める。
「ふぅん…」
「意味深な頷きを返すのはやめろ…。頼むから」
話しかけられたもう一人は、くすくすと微笑みながら…
「いいじゃない。普段はからかってる側なんだから、たまには」
と、さらりと言ってのける。
「…よくない。主にこの状況でというのが性質が悪い」
「あら、そう? ま、気にしちゃダメよ。一年に一度なんだから。大目に見て」
いつまででも平行線を辿りそうな会話。それもまた、いつものこと。

そして。

「はぁ…。もういい。帰るぞ、リッツ」
そういって歩く速度を速め、会話を打ち切る。それもまた、いつものことで。
「あ、待ってー。どうせ逃げられないんだから、早歩きしても無駄ですよー、だ」
そうして追いかけるのも、やっぱりいつものこと。

こうして、日常に消えた非日常は、その跡だけを残して過ぎ去ってゆく…。
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