空の日記 #01

10月13日　天気…雨

今日は、とても不思議な出会いがありました。
学校が終わってから、友達と遊んで…その帰りのことです。

道端の壁にもたれかかるように、誰かが座り込んでいました。
普段なら…いえ、普通なら構わず立ち去っていたかもしれません。
でも、その人はどこか普通の人とは違っていたんです。

雨に打たれている…銀色の髪に、緋色の瞳。
そして、引き裂かれた服は血に塗れていました。
関わり合いにならないほうがいい、自分のなかの誰かがそういっているような気がしました。

でも、もし…怪我をしていたら。
勇気を出して、その人に話しかけてみました。
大丈夫ですか、って。
その人は座り込んだままわたしを見上げました。
そして、何か言いかけて…気を失ってしまったんです。

そのとき、わたしは携帯電話を持っていなくて、助けを呼ぶこともできなくて…。
それでも、このままにしておくのは…あまりにも気の毒で…。
わたしは傘の代わりにこの人を連れて、家まで帰りました。

今は、服を換えてベッドで休んでもらっています。
…目が覚めたときに、お話を聞かせてもらえるといいな。