月明りの下で
SilverRainのキャラクター+αによるブログです。知らない方、なりきりが苦手な方は戻ることをお勧めします。
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崩壊の足音。
コォォォォォォ…
空を翔ける金属のとり。
頭と、胴と、尾と、翼。中身は空っぽ。
その中にわたしはいた。
隣には優しいお母さんと、ちょっと厳しいお父さん。
間に挟まれて、懐かしい故郷を目指す。
とく、ん。
ときどき、原因のわからない疼きに誘われる。
まるで、わたしの中で知らない何かが蠢いているよう。
気付いて、と。
見て、と。
そう、語りかけるように誘う。
でも、私はその疼きから目をそらして、別のものを見る。
時間の流れが見えない。
動いているのに、止まっているようで。
いつまで経っても、明るさが変わらない。
…それでも、きっともうすぐ会えるよ。
わたしのもうひとつの故郷に。
がく、ん。
静かだった空間が、にわかに騒がしくなる。
動かなかった空間が、大きく揺れ動き始める。
丸くくりぬかれた瞳から、青い空と赤い火のコントラストが見えた。
ごうごうと、聞こえもしないはずの音すら聞こえる気がした。
翼を焼かれたとりは、苦しそうにもがいていて。
足を無くしたヒトは、行く末を祈り。
わたしはただ、いろいろなものが奏でる音の中にいた。
不意に、目の前が暗くなると…
音すら、聞こえなくなった。
ぱちぱち、がしゃん。
暗くなったと思ったら、今度は明るくなった。
騒がしい。
似たような服を着た人がたくさんいる。
わたしの傍にもいる。
何か話しかけられている気がする。
でも、声が出ない。
あちこちが痛いのに、すぐに痛みは和らいでいった。
温かくて、優しい感覚に抱かれながら…
わたしは、もう一度目を閉じた。
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